ある沖縄病患者の一日

2003年夏のある日、すっかり沖縄病にかかってじまった私は、会社を休んでしまった。相当重病である。
いつも「沖縄」という言葉を聞くと敏感に反応してしまい、会社帰りには、沖縄音楽のCDを買いあさり、沖縄料理店をを探し回り、自分の前世はきっとウチナンチューだったに違いないと信じるようになってしまった。

前夜、夏川りみのあるファンサイトで、大阪で沖縄映画祭をやっているというBBSの書き込みがあり、それが頭の隅に残っており、出勤途中発作的に方向を変え、大阪市内に出てきてしまった。会社には、そこから病気で具合が悪いと電話して休みをもらった。病気といっても沖縄病なのだが・・・・

まず朝食であるが、喫茶店のモーニングとなるのだが、まだ朝早いのでどこでも行ける。よし今日は朝から沖縄だ! と私は一部ファンには有名な某喫茶店に向かった。そこは大阪にある夏川りみさんの某ファンクラブの事務所が置いてあるゆかりの場所である。
私は、そこで朝のコーヒーを飲んで、夏川りみさんの写真やサイン色紙がいっぱい貼ってある壁を鑑賞した。やっぱ、りみさん愛くるしいのう。
そこで、店のママさんにお願いして、幸運にも仕事で持ってきていたデジカメでその壁を撮らせてもらった。(写真参照)
昨夜仕事で使ったデジカメのメモリーがまだ残っていたぞ! 今日は、朝から縁起がいいわい!

それから急いで、午前中にやっている某映画館に行って「ホテル・ハイビスカス」を見る。
いいねえ、仲宗根みいこの漫画の原作そのものの美恵子役の蔵下穂波! 元気なウチナーパワーをいっぱいもらったよ!
父ちゃん役の照屋政雄、ぴったりだねえ。最高や! 
それに、登川誠仁、国吉源次、大城美佐子、松田末吉というそうそうたる沖縄音楽界の唄者達がいい味だして出演しているのには驚いた! 私のような沖縄フリークも楽しませるこの演出、にくいねえ。
最後に流れる登川誠仁の「白雲節」を口ずさみながら、私しゃ幸せタンメー!って映画館を出てきました。

もちろん昼食は、近くの店で「沖縄そば」。そして、地下鉄で九条に向かう。

いよいよ「全国各地の市民の出資により誕生したシネ・ヌーヴォ」という良心的映画を提供する映画館で行われる「オキナワンあじまぁフェスタ」だ。
こうなったらトコトンだと、当日3回券を買う。
まず、「激動の昭和史 沖縄決戦」岡本喜八監督の力作だ。沖縄県民の3分の1にあたる15万人にのぼる犠牲者を出した悲惨な戦いを出来るだけ忠実に再現している。いったい沖縄戦とは何であったのか・・・この現実を直視しないと本当に沖縄を理解することはできない。
重い映画だった。教師と女生徒たちが故郷の歌をうたいながら青酸カリを飲むシーンでは、涙が頬を伝って流れた。
こんなことが二度とあってはならない。日本人が何度も見なければならない事実そのものだ。

次は、昔から見たかった映画「ひめゆりの塔」だ。今井正監督の1953年の不朽の名作である。
津島恵子の演技が光る、涙、涙の映画である。
こんな古いモノクロ映画が、これだけ心を動かすなんて、人間の気持ちというのは不変なんだなあ。
涙腺が止まらない。平日なのに結構入っている小さな映画館のあちこちからも、すすり泣きの声が聞こえる。
こんな映画もいいなあ。素直に感動しましょう!

泣きに泣いたので、水分補給にオリオンビールを買って飲む。映画館もやるじゃないか。沖縄音楽CDやオリオンビールを売っているなんて気が利くねえ。映画と映画の間の休憩時間も飽きさせない。

さて、最後は、なんくるムービー「あじまぁのウタ」である。
「ユリイカ」で著名な青山真治監督の音楽映画だ。泣いた後は、じつに楽しい音楽を聞かせてくれる。変身する上原知子の声が、非常に新しく聞こえる。沖縄音楽は現代音楽でもあるのだなあ。
ドキュメント、インタビュー、ライブ〜映像と音楽が織り成すオキナワンポップの世界が繰り広げられる。いいぞ、いいぞ。満足満足!

「ウンタマギルー」や「豚の報い」も見たかったが今日は無理。今度の楽しみにとっておこうぜ。
さて、3本の映画を連続して見て精神的には満足感したが、肉体的には腹が減った。ここはもちろん沖縄料理だろうと、某有名料理店に直行。ラフテー、チャンプルー、島ラッキョウ、海ブドウ、ヒラヤチーを食って満腹。もちろん酒は泡盛。
ここまで来たら今日は徹底的にいかなくちゃなあ。と、最後にわしたショップへ行き、自分への土産に残波の白とウコンを買って帰る。

笑って泣いて感動して食べて飲んで、不思議だなあ。こんな感覚が大阪で味わえるなんて。久しぶりに心の渇きが満たされたんでしょうね、とても充実感がある。
かくて、私の夏の、夢のような一日は終わったのでした。


星々清しゃ
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